こんにちは、株式会社SOUの仲田です。
今月は、京都・地域企業応援会と戦略人事ラボでの対話をご紹介します。一見異なる二つの場を通して見えてきた、会社や事業の中にある価値を見つけ、言葉にしていく伴走の役割について考えます。

「やってみたい」を形にする。京都・地域企業応援会
7月22日、「京都・地域企業応援会」にコーディネーターとして参加しました。
5月号のニュースレターでもお伝えしたとおり、SOUは今年度、「地域企業未来力創出コーディネート事業」の企画・運営業務をしております。
京都・地域企業応援会がこのコーディネート事業と、どのような関係があるのかというと、まずこの事業の中心となる「京都市地域企業未来力会議」で多種多様な業種の企業が集まり、企業の経営課題や地域・社会の課題について意見を交わしてもらいます。そこで生まれたアイデアは、次に「京都・地域企業 未来の祭典」として実践されるのですが、アイデアを具体化し、実践までを後押しする個別相談の場が「京都・地域企業応援会」です。

今回は、子育て支援団体さんからビジネスモデルのご相談や、学生の学びを地域へ開く企業と連携した各地でのプログラム、伝統産業を支える機械設備についてなど多種多様な方にお越しいただき、ご相談を受けました。

応援会は全5回、11月まであと3回開催予定。応援会でのご相談は、未来力会議に参加していなくても大丈夫です。「地域や社会のために、こんなことをやってみたい」というアイデアをお持ちの事業者の皆さまは、ぜひ応援会へご相談ください!
人事課題を、会社の本質から考える
6月25日には、「京都・地域企業の戦略人事ラボ Vol.5」に登壇しました。
4月号でもご紹介した戦略人事ラボは、地域の中小企業が抱える人事課題を、単なる「人手不足の穴埋め」ではなく、経営戦略の視点から捉え直す任意団体です。
これまでは広く参加者を募るセミナー形式で開催してきましたが、今回は、企業の人事課題を支援する立場の方々を中心とした、少人数のクローズドな場として実施しました。各社の課題に対して「この方法を使えば解決できる」と答えを持ち寄るのではなく、そもそも、どうすれば人事課題は解消されるのかを、参加者と同じ目線で考える時間となりました。

「とりあえず人が欲しい」「採用を何とかしたい」という目の前の課題だけでなく、採用前にどのような接点をつくるのか、入社後に働き続け、成長できる環境をどう整えるのか、退職後もどのような関係を築けるのかー。人事がきちんと機能している企業は、そこまで視野を広げているのではないか。
様々な人事・採用に関する取組事例も紹介しながら、参加者と一緒に考え、気づいたのは、「どうしたら従業員が『この会社と関わり続けたい』という状態になることができるのか」という問いでした。
採用手法を考える前に、自社は何を大切にしている会社なのか、働く人にどのような価値を提供できるのかを問い直す。人事戦略を考えることは、会社の本質や、まだ十分に認識されていない価値を見つめ直すことでもあると、改めて感じました。
戦略人事ラボは、不定期で開催しています。
採用や人事に悩む経営者や人事担当者にとって、課題を相談するだけでなく、同じ立場の方や支援者と横のつながりをつくる機会にもなっています。次回の開催が決まりましたら改めてお知らせしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
まだ名前のない価値を、言葉にする
先日、京料理 二傳の若旦那・山田さんとお話しする機会がありました。
山田さんとは3年ほど前、中学生の探究学習でご一緒したのをきっかけに仲良くしていただいており、その後も京料理の中から生き物を探す生物多様性の体験を一緒に作るなど、料理を起点にユニークな試みをご一緒いただいています。
他愛もない話や雑談で盛り上がることも多く、先日お会いした時は「日本語は食にまつわる表現がとても豊か」という話になりました。
「ざくざく」「ふわふわ」「もちもち」。
料理は見た目や味だけでなく、香り、歯触り、喉ごしまで含めて体験するものです。その違いを多くの人が感じ、認識するようになると、それを伝えるための言葉が生まれます。言葉があることで、これまで同じに見えていたものの違いが分かり、そのものが持つ価値も受け取りやすくなります。
これは事業開発にも通じる話だと思います。
事業開発とは単に新しい商品をつくることではなく、まだ「価値」として認識されていないものを、「価値あるもの」として交換されていくよう育てていくことです。
一方で、経営者や会社の皆さんにとって、長年培ってきた技術や文化といったものは、あまりにも身近で当たり前になっているため、自分たちでは魅力や価値に気づきにくいことがあります。
だからこそ、伴走支援では対話を重ねながら「会社が大切にしている本質は何か」「他社との違いはどこにあるのか」を一緒に整理し、そこにある価値を言葉にして、周囲にも伝わる形へ整えること=交換ができる状態にするがSOUの役割だと考えています。
今回ご紹介した京都・地域企業応援会では、まだ形になっていない事業のアイデアを整理し、実践への道筋を考えました。戦略人事ラボでは、採用という目の前の課題から一歩踏み込み、その会社が働く人に提供できる価値を問い直しました。
一見異なる二つの場ですが、どちらにも共通していたのは、まだ十分に言葉になっていない価値を見つけること。その価値に名前をつけ、会社の内外へ伝わる形にすること。
それも、伴走者が担う大切な役割だと思っています。