税理士法人田中経営会計事務所

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  • 設立 : 2016年
  • 従業員 : 12名
  • 業種 : 専門サービス業/決算・確定申告・税務相談・経営支援
税理士法人田中経営会計事務所

大阪・京都を拠点に、税務・会計はもちろんのこと、バックオフィスの業務改善やユニークなイベントを企画されるなど、税理士事務所の枠組みを超えた遊び心あふれる「田中経営会計事務所」。

経営者に寄り添い、本質的な企業成長を支援しながら、事務所のチームメンバー一人一人の働き方も大事にされてきた税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 田中慎さんにお話しをお聞きしました。

▪️課題
新メンバー増加に伴う、チームづくりのご相談。
既存メンバーの理念や価値観のすり合わせができている状態から、新メンバーを迎えるにはどんなことが必要か?
リモートワークが中心のチームにおける、理念や価値観を共有できるコミュニケーションの在り方とは?
見えないけど大事なものを見える化し、個人の働き方も大切にできるチームづくりが目標です。

▪️依頼内容
組織開発・チームづくり

▪️支援内容の成果
・自己理解/他者理解の促進ワークショップの実施
・チームのフィロソフィー設計
・組織の生態系マップ作成(ステークホルダーの整理
・リレーションシップ構築の「定例Mtg」の設計と導入
・人材育成ツールの開発(人材スキルマンダラチャート)

ご依頼のきっかけ

 

3人から10人弱にメンバーが増えるタイミングで、チーム作りに伴走してもらいたかった。

これまでの数年間は3〜4人のチームで動いてきて、“あうんの呼吸”で仕事が回っていました。そこに新しいメンバーが入って、10人弱の組織になるというタイミングで、相談をさせてもらいました。自分なりにチーム作りのための働きかけをしてきたけど、なかなか思うように進まなくて。

仲田さんとはイベント登壇や京都市の事業の打合せなどで数年前からよく顔を合わせていて、価値観や人柄、仕事の進め方も信頼しています。変わった組織だけれど、SOUならどうにかしてくれるんじゃないかと思い、話を聞いてもらいました。

伴走支援を受けてよかったこと

 

代表がよく言う言葉の本当の意図を、全員に伝えられた。

たとえば「昼寝してもいい会社」とか「ダサくなるなよ」とか、うちの会社ではよく言うんですけど、表面的な意味だけを捉えられると本来の意図とはズレてしまいます。4人でやってる時は自然と共通理解ができていたけど、人数が増えた時に、その裏側にある背景やうちなりの解釈をちゃんと伝える必要が出てきました。新しいメンバーにもそれなりに伝えてきたつもりだったけど、やっぱり断片的にしか理解してもらえていないことがわかって。

そこをSOUの仲田さんたちが対話しながら紐解いてくれて、見える化できたことはとてもありがたかったです。こういう作業は「誰とやるか」がすごく重要で、仕事や組織に対する価値観がある程度合う相手とじゃないと難しいと思う。

自分が発した言葉でも、仲田さんたちが話してくれるのを聞くと「確かにそうやな」と改めて感じることができて、思考が明確になりました。全員で話しながら「田中経営会計事務所とは」っていう土台を確認できたのは、すごくよかったです。

 

社外の人が入ることで、会議のコミュニケーションが活性化した。

全員でのミーティングが、SOUが入ってファシリテーションをしてくれるのと、社内のメンバーだけで話すのとでは全然違います。うちのメンバーは、僕が言っても誰もちゃんと聞いてくれないので(笑)。

最初に、SOUの2人と僕だけで話す場が複数回あって、どんな組織になっていきたいのかを壁打ちしてもらいました。並行して、メンバーとも一人ずつ面談をしてくれて、大事にしたいことや課題感、希望をていねいに引き出した上で、全員が集まる場を作ってくれて。

問いを投げかけてもらって皆で話し合うことで、新しい発見が多かったです。お互いに気づきがあったし、目標やありたい姿を共有することができて、同じ方向を見て仕事ができるようになったかな。

 

全員がすごく周りを思いやってるってことが、よくわかった。

うちのメンバーはわりと個が強くて、チームワークを重視するイメージはあんまりないと思うんです。よく飲みには行ってますけど。僕も皆も感情をがんがん表に出すタイプでもないし、基本的には、それぞれが淡々と自分の業務を進める時間が長くて。

でも、SOUとのチームづくりを通して、それぞれがメンバーのこと、チームのことをめっちゃ考えてるんやなって、皆で感じることができました。「声かけてくれたらいつでも教えるし、言ってや!」って、普段はそんな感じを出さないメンバーが言い出したり。

診断ツールを使って、各メンバーの特性を可視化してくれたことも大きかったかな。思考の特性や仕事への貢献のしかたがそれぞれ違うことがわかって、お互いをサポートしやすくなったと思います。

伴走支援を経て変わったこと

 

毎週全員と1on1をすることに!

支援期間が終わってからも僕たちが自走できるように、後半は主に、今後もこういった動きを続けていくための仕組みを考えてくれました。うちの場合、全員のミーティングを頻繁にやる必要はないことがわかってきて。ちゃんとした議論のネタがないと、すぐに「この会議、意味あります?」って声が出るんです。

なので、全体ミーティングは月1回、議題がなければその時点で解散するという前提で続けてみようと。そして、僕が全員と毎週1対1で話すことにしました。

 

メンバー主導の勉強会が始まった!

成長意欲が高いメンバーたちなので、目標がはっきりすると、主体的に動きやすくなるんだなと思いました。僕たちは一つの目標として「半分遊んで年収800万」を掲げています。この800万には、税務関係の業務で600万円稼いで、あとの200万円は自分のやりたいことで副業して稼ごう、という意味があって。顧問先を増やせば税務関係だけで800万円にもできるけど、それでは皆の人生がおもしろくならないと思うんです。

税務のスキルはもちろんですが、クライアントの力になれるように、経営やビジネスの知識も人間性も磨いていきたいし、それぞれが自分のやりたいことを実現できる力を身につけてほしい。今までは僕が教えることが多かったのですが、新メンバーが教える勉強会が立ち上がったりもしていて。皆で学び合おうという空気が嬉しいですね。

印象的だったこと

学生インターンだった一番若いメンバーの一言が、場を深めてくれた場面がありました。自分たちが大切にしている行動や実践を皆で挙げて、「なぜそれを大切にするのか」を議論していた時です。

「お天道さまに顔向けできる生き方だから!」って言ったんですよ、その子が。あまりビジネスの現場では使わない表現だと思うんですけど、その言葉に皆が納得して、ちょっと空気が変わりました。他のメンバーも、立場や年齢は関係なく、全員がそれぞれのキャラを発揮して活躍する瞬間があって。そういう場をつくってくれたことに感謝しています。

Action

  1. Phase 1

    目標設定
    対話と傾聴からブレない目標を設定

    - 経営者ヒアリングを実施し、依頼背景の確認から目的を整理
    - 枠にはめない、自社らしい「チームづくり」を共通目標に設定
  2. Phase 2

    課題発見
    目標を達成するための“課題”を発見

    - チームメンバーとの1on1 ミーティングや一人一人の性格や特徴を理解するワークを実施
    「自分らしさ」も大切にしたいチーム(=自社らしさ)を発見
  3. Phase 3

    解決策デザイン
    最小投資で最大効果を設計

    - チーム・自社のらしさの言語化ワークショップを実施
    - 社内の共通認識を深めながら、らしさあるチーム意識の定着のために、「定例ミーティング」での理念・行動指針のシェアとフィードバックの時間を設定
  4. Phase 4

    実行伴走&モニタリング
    課題解決の”実装”フェーズ

    - 定例ミーティングを実施。自社・チームらしさのすり合わせやチームの在り方を定期確認
    - 形骸化を避けたい継続のための課題と条件を発見、改善へ
  5. Phase 5

    自走化
    自走・内製化へのバトンパス

    - 今後も継続可能なミーティングや面談の方法をチームで議論
    - チームだけで運用できるように設計し、運用スタート!

全体を振り返っての感想

自分も中小企業診断士やSILK(京都市ソーシャルイノベーション研究所)のコーディネーターとして伴走支援をしてきたからこそ、支援する側の難しさも、支援の内容次第で組織のあり方が変わっていくこともわかります。そのうえで今回、本当にいいかたちで開発してもらえたなと思っています。視野が開けたし、発見がたくさんあった。うちのチームは独特な文化が多くて、事例として役に立てるのかは心配だけど…(笑)

 

文・写真 /柴田 明

*本事例については、田中経営会計事務所様のホームページでもご紹介いただいております。
詳しくはこちらをご覧下さい  >>>田中経営会計事務所様 導入事例記事

関係者の声

ワークを通して、組織やメンバーの考え方や性格を知ることができました。特に「うちってどんな会社?どんな組織?」ということが、これだ!って言葉で言語化されたのが面白かったです。また、普段あまり話さないことを話す機会が沢山あり、自分自身も考えさせられ、他のメンバーについても新しい側面が見えたり新鮮に感じました。がっつり入ってワークを進めてくれるので、SOUの皆さんが一番田中会計を理解してくれていたのではと思います。外部に組織の理解者がいることは、とても心強く感じます。

田中会計経営事務所 熊倉 由実さん
田中会計経営事務所 熊倉 由実さん

チームビルディングのワークでは「どんな個性が会社に集まっているのか」「会社が社会に向けて還元しているものは何か」など、第三者の視点から現状や課題を探っていただきました。私は会社でワークが始まったのと同時期に入社をしたので、ワークを機に会社全体やメンバーへの理解を深めることができ、通常よりも新しい環境に溶け込みやすかったと感じています。また、個人的には「深く考えること」が好きなので、SOUの方々と言葉を交わしながら自身やメンバーと向き合える時間をいつも楽しみにしていました。

田中会計経営事務所 中澤 碧さん
田中会計経営事務所 中澤 碧さん